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TRPG用小説(6)

 精霊は飛び回っていた時とは比較にならないほど質量があり、少年が左脚に力を込めて地面から持ち上げようとしても微動だにしなかった。黒衣の男はナシルの動きを封じたと見るや、固着した精霊達を右腕から外し、ゆっくりと少年に向かって歩いてくる。「来るな!」 ナシルの髪の毛が逆立った。男は少年の絶叫を無視して、彼の手足が届かない距離で歩を止める。「君には再教育が必要だ。真実を知るためには、今まで劣った人間から...

TRPG用小説(5)

 男から発している禍々しい感じは、森の入り口で大量の黒い精霊にたかられていた「あれ」とよく似ている。だとするなら、この男は黒い精霊達と共に村に災厄をもたらしに訪れたのではないか? たった今、目にしただけでも2軒隣の家の家長と、自分の両親が黒い精霊にたかられて死にかかっているではないか。 ところが、この男は「自分を助けに来た」と言っている。そうすると、この男は村が精霊に襲われているところで加勢をしに...

TRPG用小説(4)

 背後を振り返ったナシルは、なだらかな丘陵に異変がないことを確かめてから、自宅の裏側まで身をかがめて走っていった。一刻でも早く、父親と母親の安否を確かめたかったのだ。 ナシルの自宅も、他の家と同じように入り口も窓も中央の広場を向いており、背後から侵入することは困難だった。非力な少年にできることと言えば、家の壁づたいに這いずって、出来るだけ目立たぬように室内へと飛び込むことぐらいだった。 大きく深呼...

TRPG用小説(3)

 ナシルは精霊に群がられたまま道を這いずり、一歩でも村へ近づこうとした。黒い小さな点は、やがて小さな男の子を嬲ることに対する興味を失ったかのように、彼の前から一斉に姿を消した。 ナシルはしばらくの間、わけも分からずその場にへたりこんでいた。おそるおそる周囲を見回してみても、精霊の気配はまったくしなかった。 森の中にいたあれは何だったのだろう? どうして、あれには大量の精霊が群がっていたのだろう? ...

TRPG用小説(2)

 精霊の大半は、小指の先ほどしかない輝く点のような存在で、何かの拍子に宙に現れたり、地虫のように床を這いずっては、そのうちにふっと消えていくのが常だった。ナシルは物心ついたついた頃から精霊を目撃していたので、誰もがそれを感じる事ができると信じ切っていた。 だから「輝く小さな何か」の話をした途端に、母親の顔色が変わった理由が少年には解らなかった。両親はナシルから「輝く小さな何か」の詳細を尋ねた後で、...

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プロフィール

toriyamazine

Author:toriyamazine
東京都出身。
高校在学中にライターとしてデビュー。
以降は編集者・ライター・ゲームディレクター・実写アダルトDVDの監督、そして作家を兼任。
仕事はSMポルノ関係全般で、小説、ゲーム、実写etc、アニメーションを除くすべてのポルノ作品を平行して制作。年間発表数は約6作品前後がコンスタント。
一般作に関しては、別名義、もしくはアンカーマンとしてのみ参加中。

追記・最近になってメールで連絡が取れないという非難が多く聞かれるようになったので、仕事用のアドレスを公開しておきます。
jjnewzine★gmail.com
です。★マークを@に変えて使ってね。

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