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アミテージ・ザ・サード再見

 本日は強烈な眠気に抵抗しつつ撮影に従事。仕事場に戻ってから原稿執筆に入ったのだが、どうにも気が乗らなくて『アミテージ・ザ・サード』(1995年・AIC)のDVDを再見。

 この作品は、フェミニズム的な価値観が浸透した地球と、少子化対策のために女性型アンドロイドを大量に使っている『フィギュア萌え国家』火星の政治的駆け引きに主人公が巻き込まれて……という展開のSFポリティカルアクションアニメで、今の基準から見ても小中千昭のシナリオはかなりいい線を行ってる(作中に登場する女性作家がクトゥルフ神話を題材にしているのが、いかにもクトゥルフ好きの小中らしくて笑える)にもかかわらず、日本のファンにはまったく受けず、アメリカでは大受けしてPOLY-MATRIXというタイトルで映画化、続編まで作られたといういわく付きの作品。

 残念ながら、SFはカントリーミュージックと並んでアメリカ固有の文化のようで、日本では「SF風」の作品は許容されてもSFは駄目というのが実情。実はアミテージ発売の同年には遥かに知名度の高い『攻殻機動隊』映画版も封切られたのだが、日本での興行成績は芳しくなく、アメリカに輸出したら大ヒットしたという経緯がある。最近の日本じゃ「SF風」ですら存続が怪しいから、いちSFファンとしては哀しいことこの上ない。

 で、何でアミテージをひさしぶりに見たくなったのかと言えば、今の政治状況がこの作品に描かれている政治状況とだぶったからだ。もちろん規制推進派が地球側で、規制反対派が火星側ですよ。ただし、フィクションの世界ではアンドロイドは高度な政治的判断が原因で弾圧されるが、現実のオタク系創作物は狂信的なキリスト教徒とそのシンパによって作り出された妄想によって弾圧されているんだから、もう失笑するしかないよね。しかも、この狂信的なキリスト教徒とオタクのシンクロ率は妙に高いのだ。

 まあ、長い前ふりはこの辺までにして、Запретная Зонаに掲載された記事に目を通していただきたい。詳細に関しては後日記述するが、規制推進派がどれだけ狂っているか、しかし残念なことに規制反対派の一部とよく似ていることを、この記事は証明している。

 まったく馬鹿馬鹿しい話だけど、その馬鹿馬鹿しいのが現実だと思うしかないし、それに対抗する方法も考えていかなければならない。そろそろ、このブログのアクセス数も平常に戻ってきたことだし、ちょいと連係プレーの練習でも始めますかね。

15件のコメント

[C295]

ああ、あれ、そういう話だったんだ。
  • 2008-04-04
  • 投稿者 :
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[C296]

攻殻機動隊はどうもその面白さが分からない。筒井康隆とかの方が面白いじゃん。
  • 2008-04-04
  • 投稿者 : sugi
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[C297]

サイパンは好みが別れますからね。
最も私は甲殻よりは文庫を読んでる方が好きですが。
日本人のサイパンは良くも悪くもある意味健康的なんですよね。
  • 2008-04-04
  • 投稿者 : へ
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[C298] 295さん

そういう話でしたよ。
ただ、ああいう演出や世界設定だと日本人は食いついて来ないと思います。
残念ですが。
  • 2008-04-05
  • 投稿者 : 鳥山仁
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[C299] sugi さん

おっしゃるとおりですが、国内でトップ3に入る短編小説の名手と比較しても……。
  • 2008-04-05
  • 投稿者 : 鳥山仁
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[C300] へさん

日本製のサイバーパンクは、ドラッグカルチャー的な要素をすぐに抜いちゃうんですよね。
原因は日本で最もメジャーな違法薬物がシャブという点にあるんですけど。その代わり、興奮剤とマインドコントロール薬物のネタは、かなり頻繁に出てくるんですけどね。
これも文化的な違いですが、今じゃアメリカでシャブが大流行ですから、そのうちに差異もなくなってくるのでは?
  • 2008-04-05
  • 投稿者 : 鳥山仁
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[C301]

「アミテージ・ザ・サード」が国内で正当な評価がされなかったのは、粗製濫造によってOAV人気が
凋落していたのと、最終巻の発売直後に「エヴァ」のTV放映が始まったというタイミングの悪さもあった
と思います。

> 日本では「SF風」の作品は許容されてもSFは駄目というのが実情

「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズのDVDはちゃんと当たったので、日本でも潜在的な需要はあると思い
ます(セルDVDのみで1巻平均1万6000本以上売れたとか)。押井版「攻殻機動隊」の興行成績が
パッとしなかった理由は、2年前に公開された前作「パトレイバー2」が賛否両論の内容だったのもある
のではないでしょうか。この作品によって「押井作品は難解」という評判が当時の中学生にまで広がり、
結果的に「攻殻」は10代のアニオタにスルーされた気がします。公開当時10代だった僕も友人のオタクを
誘ってみたものの、監督名を出しただけで断られました(笑)。結局、3回ほど独りで観に行きましたが、
観客の年齢層はいずれも高かったと記憶しています。

> 日本製のサイバーパンクは、ドラッグカルチャー的な要素をすぐに抜いちゃう

サンライズでもゴンゾでもいいですが、あの辺と仕事をしている脚本家に、R・ラッカーの本を持たせて
3週間ぐらいアムスに滞在させれば、少しは良いアイデアも浮かぶのでは?
  • 2008-04-05
  • 投稿者 : 明日死能
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[C302]

アミテージ・ザ・サードが出た頃って明らかに海外輸出を意識したOVA作品も何本かあった様な気がします(記憶しているレベルだとジェノサイバー)。ただ、リリース当時でもああっ女神さまや天地無用!と言ったハーレムものやTVアニメのスピンオフものが主流だったのも埋もれてしまった一因様な気がします。

>「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズ
リリース前に攻殻機動隊と言う作品そのものの知名度が上がっていたのあると思いますが、それ以上に集団刑事もののドラマは日本人のメンタリティに訴えかけやすいジャンルの一つなのでそれもヒットしたの一因なのかもしれません。
  • 2008-04-05
  • 投稿者 : lkx
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[C303]

>R・ラッカーの本を持たせて

SFっぽいものを書いている人はぜひ読んで欲しい本なんですが
結構読んでいない人が多いんですよね。
  • 2008-04-05
  • 投稿者 : へ
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[C304] 明日死能さん

確かに潜在需要はあるんですよね。
ただ、アメリカと較べると内省的というか、登場人物の内面にスポットを当てる形で「一手間」かけないと当たりにくいのは事実でしょう。

押井監督に関しては、鳥海を始祖とするタツノコSF人脈の系列から見るか、押井個人にスポットを当てるかで評価が変わってくるので、コメント欄ではコメントしづらいです。

私は知人が製作に関与したという理由で『トーキング・ヘッド』という大ウンコ作品を映画館で金を払って見た分だけ、御大への評価は厳しいものがあります。

才能がある人なのは分かってるんですけどね。
  • 2008-04-06
  • 投稿者 : 鳥山仁
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[C305] lkx さん

事実誤認だと分かってるのに、どういうわけか海外輸出用アニメと言われると、反射的にマッドハウス製作作品を思い浮かべてしまうのは何故なんでしょう? 自分でも理由はよく分かりません。

それと、言われるまで意識していなかったんですけど、私はいわゆるハーレム系の作品が苦手なんですよね。現実でも女の子がたくさんいると、人数分だけ気を遣うほうなんで、恋愛ものもラブコメも1対1か、せいぜい三角関係程度じゃないと厳しいですな。
そのせいで、天地~なんかはすっかり失念していました。
  • 2008-04-06
  • 投稿者 : 鳥山仁
  • URL
  • 編集

[C306] へさん

ルーディ・ラッカーは短編が×で中編が○という、作家としては結構珍しいタイプなので、映像化は意外と難しいかも。
傑作は衆目一致で『ソフトウェア』でしょう。『空洞地球』も嫌いじゃないんですけど、これ以降はちょっとお前、クスリやりすぎだろって感じがします。あくまで感じですが。
  • 2008-04-06
  • 投稿者 : 鳥山仁
  • URL
  • 編集

[C307]

自民のネット規制の危険な状況

日本の子供たちからインターネットが消える日
http://ofo.jp/blog1207249431.phtml

1. 自民党の高市早苗議員が、『青少年の健全な育成のためのインターネットによる青少年有害情報の閲覧の
防止等に関する法律案』という法案を詰めていて、これはかなり完成形になっている。
池田信夫氏によれば、ブレーンとして警察官僚がついて条文を固めたらしいし、
確かに法案の中にはそれをうかがわせる傍証もある(12条のネットカフェ規制とか)。

2. 一方民主党の高井美穂議員を事務局等とするプロジェクトチームは、
『子供が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案』というのを取りまとめている
(ちなみに先の高市議員と高井議員は、国会議員の電話番号なんかが載っている「国会議員要覧」で見ると、仲良くお隣同士だ)。

3. これらの法案の目的は、「性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼす」とか「
著しい心理的外傷を与える恐れがある」とかそういうインターネット上の「有害」な情報について、
青少年が見られなくなるよう全部フィルタリングすること。

4. これらの法案が、今期国会の混乱のドサクサに紛れて提出され、
あっさり自民党案が通っちゃい兼ねない空気になっている(と自民党議員は言っている)。
  • 2008-04-07
  • 投稿者 : 一GT掲示板参加者
  • URL
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[C308]

>>307
しかし、当の高市は6日の報道2001で自分が保護しようと思っているはずの
女子高生にさんざっぱら突っ込まれてまともな反論も出来ず大炎上するのであった。

制限より教育!
http://jp.youtube.com/watch?v=9oqelbDl-8A
http://jp.youtube.com/watch?v=NGzjtTyzxIE
http://jp.youtube.com/watch?v=5WS3hEpYQLM
  • 2008-04-08
  • 投稿者 : nazo-
  • URL
  • 編集

[C319] 一GT掲示板参加者さん

いつもいつも情報には感謝しております。
ただ、有害~問題に関しては女性の参加者が多数見込める上に、この問題で承認されたがっている人もけっこう多いと感じたので、私の方は後方に回って支援するという形をとりたいと思います。
表現機制全般すべてに関与するのは時間的にも能力的にも無理ですし、そうなるとこの問題で貧乏くじを引いてもダメージにならない私が、一番キツイ単純所持関連のボトムを担当するのは妥当かと。
  • 2008-04-09
  • 投稿者 : 鳥山仁
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toriyamazine

Author:toriyamazine
東京都出身。
高校在学中にライターとしてデビュー。
以降は編集者・ライター・ゲームディレクター・実写アダルトDVDの監督、そして作家を兼任。
仕事はSMポルノ関係全般で、小説、ゲーム、実写etc、アニメーションを除くすべてのポルノ作品を平行して制作。年間発表数は約6作品前後がコンスタント。
一般作に関しては、別名義、もしくはアンカーマンとしてのみ参加中。

追記・最近になってメールで連絡が取れないという非難が多く聞かれるようになったので、仕事用のアドレスを公開しておきます。
jjnewzine★gmail.com
です。★マークを@に変えて使ってね。

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